やぁ
またしても駄文のお時間です.
こちらは先日公開された動画です.ある種,本稿の前提ともなるので,一度ご視聴頂いてからお読み頂くことをオススメします.
CD が必要かどうかという議論が題材として選ばれています.ちなみに,100% 必要派であり,CD こそが現状最も理想に近いメディアというのが私の意見です.そう考える理由について,ここで文章化してみようと思います.
そもそも:CD という媒体について
CD というメディアは当然ながらデジタル方式で記憶する媒体で,容量は 700MB です.現代基準だとかなり少ないように思えますが,記録するものが音声データなので,割と足ります.
そして,CD-DA として書き込むデータは 44.1kHz 標本化 / 16bit 量子化 / 2ch の LPCM 音源で,74 分ほどの音声を収録できます.非圧縮とはいえ,音声データなのに 1.4Mbps くらいあって結構贅沢ですね.ちなみに,これ以上の精度で標本化・量子化(まとめて離散化)を行っている音源をハイレゾと呼ぶことが多いです.
そして,この規格が世界標準になっているお陰で,光学ドライブを備えた機器で CD-DA を読めない機材はないと言っていいくらいだと思います.仮になくても数千円で買えるのだから良い世の中です.
8cm CD とか持って来られるとまた話が変わってきますが,広く一般に CD と呼ばれる直径 12cm のあの円盤について言うならば,上記の通りです.より細かい話について知りたい場合は各々調べてもろて.
そんな CD ですが,よくレコードと対比されます.CD はデジタルなのに対しレコードはアナログである点が違うくらいで,どちらも円盤状で,サイズが二種類ある,音楽用のメディアです.面倒なことを言うとレコードには A 面 B 面とありますがそこは一旦忘れましょう.また,「レコードにはアナログならではの良さが~~」などという話はクソほどどうでもいいので勝手にやっててくださいまし.
CD の役割の変遷
CD が音楽メディアとして一般的に利用されていた頃は,「音楽を聴く = CD を聴く」という図式が成り立っていたと思います.故に,CD を手に入れるというのが一般的な行動になります.私はその時代の生き物ではないので体験こそしていませんが,当時は配信サービスもなかったので CD を買う・借りる以外になかったでしょう.
しかし,現代はもっぱらインターネットサービスの時代であり,音楽を聴く方法が多様化しました.主にはストリーミングサービスに加入し,そのプラットフォーム上で公開されている無数の楽曲からオリジナルのプレイリストを作成したり,人気タイトルを順に聴いたりするものと,音源を購入して端末にダウンロードするものの二通りかと思います.私は後述する思想によりストリーミングサービスアンチなので音源をダウンロードしています.
こうなると,多くの場合でわざわざ CD を買うという選択をする必要性が薄れるため,ある種のコレクターズアイテムになってしまっているところが多いでしょう.これ自体は何ら問題ないと思いますが,「CD として販売されていない」ということについては大いに危機感を憶えます.
現代での CD の役割
真の目的が「音楽を聴く」にあるならば,極論 CD は不要なはずです.むしろ不便とすら言えます.最初に挙げた動画に拠れば,収益性で比較するとサブスクの方が上だそうです.では,なぜ人々は CD を買うのでしょうか.そこには,以下の背景があると考えられます.
- アーカイブ目的
- コレクション目的
- アーティストの応援目的
- 付帯する特典目的
動機はどれであってもいいと思いますが,私が CD を残すべきと考える最も大きな理由はアーカイブとして優れているからです.
人類を人類たらしめる営みであるクリエイティブによる成果物が失われてしまうのは避けるべきですが,音源がストリーミングでしか公開されていない場合,そのストリーミングサービスでの公開を取りやめられてしまったら終わりです.最悪この世からその楽曲が消えてしまうことになりかねません.しかし,CD が併売されていれば,その CD を所有している人が居る限り残り続けてくれます.
「だったら音源購入ができるのでも良いんじゃない?」と考える人もいるでしょう.はい.その通りです.しかし,それでは不完全な部分があります.
メリットとしては,まず費用面が大きいでしょう.公開自体にはお金が掛からないこともよくあります.その上で,売上の多くがそのまま粗利になります.また,CD という物理的なメディアの制約に縛られることもありません.CD に焼いてしまうと 16bit 44.1kHz 74 分に制限されてしまいますが,音源配布なら 24bit 192kHz なハイレゾ音源でも配れます.既に構築されている情報インフラをそのまま使えるので,輸送費用の問題も発生しません.
しかし,データ形式の自由度が高い分,下方向にもブレてしまうことが考えられます.例として MP3 形式で書き出してしまうと,圧縮の過程で一部の情報が失われてしまいます.これはデジタルデータが持つ最大の利点である「完璧なコピーを残せる」というメリットを若干潰してしまっています.容量を大幅に減らせるのは確かにメリットですが,こと音声データに関しては,生データでもせいぜい数 Mbps 程度です.それならばわざわざ情報を削ってしまう必要もないでしょう.CD-DA だと,音の情報をそのまま記録します.ファイル形式で言うと WAV です.書き込みの際に出力したデータをそのまま保存してくれているのです.
それだけでなく,「CD というありふれたメディア」であることも重要で,今でこそ数を減らしてはいるものの,CD の読み出し・再生ができるデバイスは数多く存在します.つまり,保存してある情報に容易にアクセスできます.また,ありふれたメディアであるということは,変な独自規格ではないということなので,安く手に入ります.製造原価だと,ロット数にもよりますが,プレスの場合 1,000 枚で 10 万弱なので,単価 100 円以下です.CD-R のブランクディスクだと 50 枚入りで 1,500 円くらいなので単価 30 円.非常に安価です.それでいて,そこそこ長寿命なのでアーカイブ用途にはうってつけのメディアと言えます.費用対効果は抜群と言えましょう.
もちろん,物理メディアである以上いずれは劣化しますが,ここでデジタルデータの最大の利点「完璧なコピーを残せる」が威力を発揮します.つまり,劣化して読めなくなってしまう前に一度吸い出し,新しいまっさらなディスクに焼き直せばいいのです.そうすれば寿命をリセットできます.これは CD という媒体と,読み書きをする光学ドライブが生産され続ける限り,永久的に続けることができます.
CD の課題と対策
しかし CD も完璧ではありません.先に述べた通り「現状最も理想に近いメディア」なだけで,理想そのものではありません.では,どのような課題があるのでしょうか.また,それを解決する方法はあるのでしょうか.
一つに,CD-DA の規格上の限界があります.先の通り,CD-DA では音源の離散化を 16bit 44.1kHz としています.つまり,どれだけ高精度で,豊かな音源を作ったとしても,オーディオ CD として作成してしまうとリサンプルされてしまいます.しかし,これに関しては一応解決策があります.「CD-DA では」と前置きを置いた通り,オーディオ CD として作成しなければいいのです.CD はただの記録媒体であり,CD-DA はその使い方のうちの一つにすぎません.容量こそ 1GB もありませんが,写真や動画だって保存できます.仮に手元に 24bit 192kHz の FLAC データがあるのならば,容量さえオーバーしなければ保存できます.CD プレイヤーでの再生はできませんが,データの保全はできます.CD プレイヤーで聴きたいならそれ用のディスクを焼くことでも解決できますのでご安心ください.
ただ,課題はこれだけではありません.考え方によって様々ありますが,大きさは一つの課題と言えます.(8cm CD があるよって言われそうですが)メディア自体を回転させて読み出し・書き込みを行う以上円盤状である必要があるため,どうしても大型化してしまいがちです.しかし,これは技術の発展が解決してくれる可能性が高いです.それまでは劣化手前で複製して時間を稼ぎ,よりよいメディアがでてきたらそれにコピーし直せばいいでしょう.希望的観測でもありますが,技術は日々進歩していますので,将来性はあると考えています.
理想のメディアを考える
ここからは,「理想のメディア」とはどのようなものかを考えてみましょう.
ここまでは「音楽データの保存」を前提としていましたが,それに限らずあらゆるデータを保存する媒体としてのメディアを考えることとします.
考えられる要件はおそらく以下の通り
- とにかく安い
- ある程度大容量
- 量産が容易
- 読み書き用ドライブが小型で安価
- メディア自体も小型
- 劣化・風化に強い
1 つ目に関して,これは言うまでもないでしょう.高かったら手を出しにくいので,CD のような単価 30 円程度と言わなくとも,100 円や 200 円くらいで入手できてほしいものです.
2 つ目,CD は 700MB ですが,これではちょっと厳しいので,せめて 50GB くらいはあってほしいと思っています.Blu-ray はその点において理想形に近づいていたのですが,ドライブが高いのと,あまり売れなかったのかメディア自体もあまり出回らなくて,そろそろ消えてしまいそうです.
3 つ目.これも言うまでもないでしょう.量産してくれないと安くできないですし,需要を満たせません.
4 つ目,CD が 12cm の円盤なので,できれば各辺 5cm ~ 6cm くらいの角形だといいでしょう.2.5in SSD のようなサイズ感でも良いと思います.あまり小さいと逆に取り扱いが難しいので,手のひらサイズが目安だと思います.
5 つ目,これを満たしていないと保存できないので,これも重要です.20 ~ 30 年くらいは持って欲しいかな.欲を言うと 100 年.
これらの冗談キツめな要件を満たしてくれるならば,CD の代替足り得ると思います.技術者の皆様方におかれましては,日々お忙しいことと思われますが,何卒よろしくお願いします.
LTO がもっと安くなってくれるといいんですけどね.メディアはまだしもドライブがたかすぎ.
現時点で取れる行動
もちろん CD を買いましょう.普段聴く音源とは別に.
そして,ハイレゾ音源などをダウンロードできる場合,それをダウンロードしておいて CD にデータとして焼いておくとバックアップになります.
何も全ての音源データを焼く必要はありません.お気に入りの,「これが無くなられると困る」というデータだけでも良いでしょう.既に手元にあるデータは誰も奪えないので,CD に焼いておくと良いですよ.家が燃えない限り残ります.
思想
最後に,この話をして締めようと思います.私がストリーミングサービスアンチである理由についててです.
あらかじめ断っておきますが,そのようなサービスがあることを否定する意図は全くなく,むしろあるべきだと思っています.これからする話は,「私には合わない」というだけの話であることを念押ししておきます.
ストリーミングサービスだと,手元の端末にはない音源を聴くことになります.そのためには,一度サーバから聴きたい音源のデータをダウンロードする必要があります.聴きたい曲が固まっておらず,「J-POP」や「洋楽」などのカテゴリでランダムに流したいなどのような需要においてはこれで問題ありません(むしろ最適解と言える).ですが,私は決まった曲をひたすら聴きまくる人なので,その都度サーバに取りにいくのは無駄でしかありません.
また,私が聴きたい曲がストリーミングサービスにないことが多く,使ったところで聴けないという問題があります.じゃあ何聴いてんのって? BGM とか SoundCloud で発掘した個人制作の楽曲とか・・・
ちなみに,自宅の視聴環境を結構真面目に作ってるので,わざと CD に焼いて流したりしてます.なので CD 贔屓というのもややあります.Audacity で 1 時間ループできるように作った BGM ディスクが 5 枚くらいあります.あとは不定期でお気に入りのサントラを焼いたりも.
以上,私が考える CD を残すべき理由についてでした.
なんかさみしいので,お気に入りの中からあまり知られてなさそうなのを何曲か布教しときます.
- Louis Vision - Chu Chu Chu
ただただ歌詞が良すぎる
「君の幸せを願っている」そして 共に歩むのが僕であるように
- Jon Giurleo & Kahikko - Party Loud
Enzo & Kahikko だったりもする.名義変わったのかな?
- PIKASONIC - Sky
これは BGM の中で特に良く聴いてます
- PIKASONIC & Tatsunoshin - Lockdown
かわいい(語彙力喪失)
- Yunomi - インドア系ならトラックメイカー
日 本 語 が わ か ら な か っ た ら 神 曲
いや普通にいい曲だと思います.はい.
- あおぎり高校(?) - トリコロール・ステップ 2025
元々あった「トリコロール・ステップ」のリメイクです.ED で 7 人並んで走るとか良すぎ.一応「あおぎり高校」への加入順だと思いますが,VTuber 歴だとぐっちゃぐちゃなの最高にあおぎりしてますね().
オリジナルの方も好きです特にイントロ.
- EasyPop - ハッピーシンセサイザ
ボカロ系で一番好きなのがこれ.まぁこれは有名だとは思いますけど.
ちなみに次点で誰かの心臓になれたなら.オーバーライドと続きます.
- yuhei komatsu - Teddy
よくエンドレス再生で聴いてます.もちろん 1 時間にして CD に焼いてますよ.
- Kei Morimoto - Water Crown
これもエンドレスで流す用に良く聴いてます.
原曲そのままと,ピッチを落としたのと 2 種類 CD にしています.
- zukisuzuki - Selfie
とても chill...
何曲かって言ってんのに何曲書いてんねん.まぁいいや.
PIKASONIC さん,Kei Morimoto さん,zukisuzuki さんの楽曲は割と私の好みがちらほらあって嬉しいです.海外だと Fredji,Ikson, Jim Yosef もオススメ.
では